2013年9月30日月曜日

アルコール中毒者との対峙

彼は既に出来上がっている。
状況的には、私が間に入り彼を他の場所に連れ出さなければならない。
「どうかしましたか?」
彼が私に注意を向けた。
目がトロンとしており、焦点が定まっていないようだ。
「とりあえず、向こうに戻りましょう。」
彼の左肩と腰を抱えあげるようにして歩かせた。
今のところは、素直に従っている。暴れだすことはないだろう。
「私の体に触れないでくれ!」
あっ、ヤバイ。癇に障ってしまったか?
なんとか、元いた場所に座らせた。しばらくはここから動かないでくれよ。
「一緒に来た人はいないんですか?」
いないようだ。さぁどうしよう。どうやって対処すればいいんだろう。
彼は私に対して敵意を抱いているみたいだし。
ここで論理的な会話は成立しないだろう。
だからといって、彼の感情に訴えかけることなんて、そんなこと私が出来るわけない。
誠実に話すしかないか。
私も毎日晩酌をしているが、一応自分の限度というものをわきまえているつもりだ。
もし、その限度がかなり先の方にあったら、私も彼のようになってしまうのだろうか。
ちょっとした体質の違いだけで、彼と私とは実は紙一重なのではあるまいか。
実際のところ、彼が望んでいることは、子どもと会うことなのだ。
もし、私が子どもに会うことができなくて、酒に溺れていたとしたら...他人事ではないかも知れない。
そんな私が偉そうに説教をぶちまけるわけにいくものだろうか。
でもね。あなたには悪いけれど、他の人に迷惑がかかる前に、ここから出て行ってくれないかな。
あなたとずっと付き合ってるわけにはいかないのだ。
気持ちはわかるが、せめて酒を飲まずに素面で来て欲しかった。
素面の時にもう一度話してみないか?

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