2009年9月5日土曜日

スケッチには口を挟まない

「スケッチしたい。」と9才の娘が言い出した。
「何を描きたいの?」「海がいいな。」そうか。じゃあ海中道路に行ってみるか。
親の目からみても、客観的にみても、娘の絵はヘタッピである。何を描いたのか何とか判別できる程度。
だが、描きたいのであれば、描かせたほうが良いに決まっている。
そして、海中道路の「海の駅あやはし館」に連れていった。娘の邪魔にならないよう、私と6才の息子は近くでキャッチボールをしていた。
しばらくして、娘の絵をのぞいてみた。遠近感がグジャグジャである。パーツパーツはなんとか描けているようだが。
せっかくスケッチに来たのだから、見たまんまのものを描けないのだろうか。
ま、仕方ないのかもしれない。見てる光景を1枚の絵におさめるとなると、いろんなテクニックが必要になるだろうから。
自分だってうまく描けないかもしれないのに。よくよく考えて見ると、娘は今この瞬間に思いっきり想像力を働かしているのだろう。
それを、絶対的な権力を持ってる親がチャチャを入れると、自分の考えが否定されたことになってしまい、絵を描く行為がイヤになってしまうかもしれない。
今の娘は、描く行為を楽しんでいるのであって、誰かに評価されたいというのは二の次なのではないだろうか。
ひょっとすると、自分たち大人は、誰かに評価されたいために描いているのかもしれない。
そもそも、子どもと大人の価値観は別物だもの。大人の価値観だけで、一方的にやり込めても意味がない。
てことは、娘の絵は大人の目からみてヘタッピであっても褒めるべきなのだ。
「へー。上手に描けてるね。」満面の笑みを浮かべ、そして少し照れながら「これはあれを描いてて、これはあそこを描いてて...」
雄弁に語りだした。褒められたのがよほど嬉しかったようだ。
娘が多少増長したとしても、絵を描く事を好きにするためには、このようなやりとりが必要なのかもしれない。
あー疲れる。

0 件のコメント: